健康保険は、みなさんで保険料を出し合っている制度ですから、医療費が増えるにつれて運営も苦しくなり、皆様の負担も重くなってしまいます。
必要な人が安心して医療が受けられるようにするとともに、保険料や窓口負担として皆様にご負担していただく医療費を有効に活用するために、医療機関・薬局を受診する際には上手な病院のかかり方を心得ておくと、無駄な医療費を支払わずにすみます。
休日、深夜、時間外の受診には割増料金がかかることを知っていますか?
医療費は、診療の他に投薬料、検査料、処置料、画像診断料などの組み合わせで決まります。
決められた診療時間以外や休日、深夜に受診すると医療費が加算されるので、急病の時などやむをえない場合を除き出来るだけ診療時間内に受診しましょう。
診療所(※)や調剤薬局の場合は、その診療所や薬局の診療(営業)時間内であっても、平日の夜間や土曜日の午後、日祝日の診療及び調剤は、割増料金がかかります。
できるだけ平日の日中に受診するように心がけましょう。
※病床(ベッド)数が19床以下の医療機関
自宅や勤務先の近くの医院、診療所などにかかりつけのお医者さんを持ち、気になることがあったら、まずはそのお医者さんに相談しましょう。
体質や、病歴、生活習慣、健康状態などを把握してもらえますし、それに基づいて適切な治療やアドバイスを受けることができます。
また、待ち時間が大病院に比べて短くてすみます。かかりつけ医の紹介状をもって大病院に行けば、特別料金が加算されることもありません。
今、とくに病気もなくかかりつけ医もいない、という方は以下のようなポイントからかかりつけ医を探してみてはどうでしょうか。
かかりつけ医は、地域医師会のホームページや、厚生労働省のホームページの医療情報ネット(ナビイ)などの医療機関検索情報サイトから探すことができます。
複数の医療機関に通っていて、それぞれ違う薬局で薬を受け取っていませんか?
もしそうなら、顔なじみの薬剤師がいる「かかりつけ薬局」を一つ決めておくことをおすすめします。
かかりつけ薬局を持つと、薬や健康のことで疑問や困ったことがあったときでも、体質や病歴などを理解してくれているので、安心して相談できます。
薬局で薬剤師を指名すると、毎回同じ薬剤師が「かかりつけ薬剤師」として担当することになります。
かかりつけ薬剤師は、これまでに使用してきた薬や、現在お使いの薬、または健康食品やサプリメントのことなどを把握して、薬による治療がより効果的なものになるようサポートしてくれます。
かかりつけ薬剤師を持つには、まず薬局でかかりつけ薬剤師として指名したい薬剤師を1名選び、同意書に署名する必要があります。
通常の服薬管理指導料の代わりに「かかりつけ薬剤師指導料」が発生します。3割負担の場合、次回から60円〜100円を追加で負担することになります。
※指名できる薬剤師は1人だけです。
※かかりつけ薬剤師が不在の場合、かかりつけ薬剤師と連携する別の薬剤師が対応する場合があります。
治療方針や診断内容に納得できなくて、いくつもの医療機関をまわったり、医師の指示もないのに同じ症状で同じ医療機関を何度も受診したことはありませんか?
同じ病気だと同じような検査や投薬が繰り返され、医療費がかさむだけでなく体にも悪影響が心配されます。
同じ病院に通う場合 | 転医をくり返した場合 | |
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1回目 | 初診料2,910円(+検査料等) | 初診料2,910円(+検査料等) |
2回目 | 再診料 750円 | 初診料2,910円(+検査料等) |
3回目 | 再診料 750円 | 初診料2,910円(+検査料等) |
合計※ | 4,410円 | 8,730円 |
※初診料と再診料の合計額。検査料等を加えると、その差はさらに大きくなります。
※受診者の負担額は、このうちの2割~3割(75歳未満の場合)となります。
受けている治療に不安があるときには、まずそのことをお医者さんに伝えて話し合ってみましょう。
また、主治医以外のお医者さんの意見を聞きたいときには「セカンドオピニオン」という方法もあります。セカンドオピニオンはれっきとした診療行為の1つです。迷わずに申し出てみましょう。
当健保では、毎年1回(7月~8月頃)、重複・頻回受診対象者へ通知(アンケート)を行っています。
適正な医療機関への受診にご理解・ご協力をお願いいたします。
詳細は、当健保ホームページの最新情報にて都度ご案内しております。ご確認ください。
●薬のもらいすぎに注意
薬が余っているときは、お医者さんや薬剤師に相談してみましょう。
●飲み合わせによっては副作用が…
お薬手帳を有効に活用して、いま処方されている薬をお医者さんや薬剤師に伝えて、飲み合わせに注意しましょう。
●ジェネリック医薬品を活用しましょう
ジェネリック医薬品とは後発医薬品とも呼ばれ、新薬の独占的販売期間(特許期間・原則20~25年間)が終了したあとに発売される医薬品のことです。新薬と同じ有効成分ですが、開発費が抑えられるため、低価格で提供することができます。
普段飲んでいる薬をジェネリック医薬品に変更したらどのくらい安くなるのか調べることができます。
こちらをご参照ください。
くわしくはこちら ジェネリックガイド(日本調剤株式会社)
くわしくはこちら かんじゃさんの薬箱
いますぐ受診する必要があるのか、平日の時間内の受診でも大丈夫なのか、子ども医療電話相談(#8000)や、救急安心センター(#7119)に電話して相談してみましょう。
●子ども医療電話相談(#8000)では、小児科の医師や看護師から症状に応じたアドバイスが受けられます。
※利用できる時間はお住まいの自治体によって異なります。
くわしくはこちら 子ども医療電話相談事業とは(上手な医療のかかり方・厚生労働省)
●救急安心センター(#7119)では、救急車を呼んだほうがいいのか、病院へ行ったほうがいいのか、緊急性の判断や応急手当のアドバイス、医療機関の案内などが救急隊経験者や看護師から24時間受けられます。
※救急安心センター事業は一部地域で実施しています。
くわしくはこちら 救急安心センター事業とは(上手な医療のかかり方・厚生労働省)
突然死する原因には、おもに心臓発作と脳卒中(脳梗塞やくも膜下出血など)があります。
つぎのような症状がある場合には、ためらわず救急車を呼びましょう。
急性心筋梗塞
脳梗塞
くも膜下出血
マイナンバーカードを使って医療機関を受診する際、薬の履歴や過去の特定健診の情報等の提供に同意すると、医師はより正確で多岐にわたる情報に基づいて診断できます。これにより、重複する投薬を避け、適切な処方を受けることが可能になります。
くわしくはこちら マイナ保険証
くわしくはこちら マイナンバーカードの健康保険証利用のメリット(厚生労働省)